Last Updated on 2025年12月19日 by 塾一郎
受動態と能動態の基本的な違いを理解しよう
英語学習において、受動態と能動態の違いを理解することは非常に重要です。中学2年生から本格的に学び始めるこの文法事項は、高校入試や大学入試でも頻出します。多くの生徒が最初につまずくポイントでもありますが、基本をしっかり押さえれば決して難しくありません。この章では、受動態と能動態の根本的な違いと、なぜこの文法を学ぶ必要があるのかを分かりやすく解説します。
能動態とは何か
能動態とは、主語が動作を行う文章の形式です。日本語で「私はリンゴを食べる」という文を英語にすると「I eat an apple.」となりますが、これが能動態の基本形です。主語である「I(私)」が「eat(食べる)」という動作を実行している様子が明確に表現されています。
能動態の最大の特徴は、誰が何をしたのかが一目で分かるという点です。例えば「Tom broke the window.(トムが窓を割った)」という文では、トムという人物が窓を割るという行為を行ったことがはっきりと示されています。このような文章構造は、私たちが日常的に使う言葉の流れと同じなので、理解しやすく感じる生徒が多いです。
実際の英語の文章では、能動態が圧倒的に多く使われます。特に会話では、自分や相手の行動を述べる場面が多いため、能動態が自然な表現となります。東京大学や早稲田大学の入試問題を分析しても、長文読解の中で能動態が基本となっており、受動態は特定の状況で使い分けられていることが分かります。中学英語の教科書でも、まず能動態をしっかり学んでから受動態に進むカリキュラムが組まれているのは、この基本的な文章構造を定着させるためです。
受動態とは何か
受動態とは、動作を受ける側を主語にした文章の形式です。先ほどの「Tom broke the window.」を受動態にすると「The window was broken by Tom.(窓はトムによって割られた)」となります。この文では、窓という物が主語となり、割られたという動作を受けた立場から述べられています。
受動態の基本的な形は「be動詞+過去分詞」です。この構造を理解することが、受動態マスターへの第一歩となります。例えば「write(書く)」という動詞の場合、「is written(書かれる)」「was written(書かれた)」「will be written(書かれるだろう)」のように、be動詞の時制によって受動態も変化します。栄光ゼミナールやSAPIXなどの進学塾では、この基本形を徹底的に反復練習させることで、生徒の理解を深めています。
受動態が特に重要になるのは、行為者よりも行為を受けた対象に焦点を当てたい場合です。例えば「English is spoken in many countries.(英語は多くの国で話されている)」という文では、誰が話しているかよりも、英語が広く使われているという事実に注目が集まります。このような表現は、ニュース記事や学術論文、説明文などでよく見られます。実際、高校の英語教科書「CROWN」や「ELEMENT」では、科学的な説明や歴史的事実を述べる際に受動態が頻繁に使用されています。
なぜ受動態を学ぶ必要があるのか
受動態を学ぶ必要性は、単に文法知識を増やすためだけではありません。英語での表現の幅を広げ、より自然で適切な文章を書けるようになるためです。日本語では受動表現が頻繁に使われますが、英語でも同様に、状況に応じて受動態を使い分けることが重要です。
高校入試や大学入試では、受動態に関する問題が必ず出題されます。特に共通テストでは長文読解の中で受動態の理解が問われることが多く、正確に読み取れないと内容把握ができません。また、英作文の問題でも、受動態を適切に使えるかどうかが評価のポイントとなります。例えば2023年の共通テスト英語では、科学技術に関する長文で受動態が多用されており、その意味を正確に捉えられるかが高得点の鍵となりました。
実用的な面では、英語の論文や公式文書、ビジネス文書では受動態が好んで使われます。客観性を保ち、事実を淡々と述べる必要がある場合、受動態は非常に有効な表現手段となります。将来、英語を使って仕事をしたり、海外の大学に進学したりする際には、受動態を自在に使いこなせることが大きなアドバンテージになります。早い段階から受動態をマスターしておくことで、お子さんの将来の可能性が確実に広がります。
受動態の作り方と基本ルール
受動態を正しく使えるようになるには、その作り方と基本ルールをしっかり理解する必要があります。多くの生徒が最初につまずくのは、過去分詞の形や時制の変化です。しかし、段階を追って学んでいけば、決して難しいものではありません。この章では、受動態の基本形から、時制による変化、そして注意が必要なポイントまで、体系的に解説します。
受動態の基本形「be動詞+過去分詞」
受動態の基本的な構造は「主語+be動詞+過去分詞+(by+行為者)」です。この形を確実に身につけることが、受動態マスターへの第一歩となります。例えば「Many people use this app.(多くの人がこのアプリを使う)」を受動態にすると「This app is used by many people.(このアプリは多くの人に使われている)」となります。
過去分詞の作り方には規則と不規則があります。規則動詞の場合は動詞の原形に-edをつけるだけです。例えば「clean→cleaned」「watch→watched」のようになります。一方、不規則動詞は個別に覚える必要があります。頻出する不規則動詞には以下のようなものがあります。
| 原形 | 過去形 | 過去分詞 | 意味 |
|---|---|---|---|
| write | wrote | written | 書く |
| speak | spoke | spoken | 話す |
| break | broke | broken | 壊す |
| take | took | taken | 取る |
| give | gave | given | 与える |
この表にある動詞は、中学英語でも高校英語でも頻繁に使われます。特に英作文や並び替え問題では、過去分詞の正確な形を知っていることが必須です。四谷大塚や日能研などの進学塾では、これらの不規則動詞を暗記カードや反復テストで徹底的に覚えさせています。
時制による受動態の変化パターン
受動態は時制によってbe動詞の形が変化します。be動詞の時制を変えることで、過去・現在・未来の受動態を表現できます。これは能動態で時制を変えるのと同じ原理です。以下に主要な時制での受動態をまとめます。
- 現在形:am/is/are+過去分詞(例:The book is read by many students. その本は多くの生徒に読まれている)
- 過去形:was/were+過去分詞(例:The letter was written yesterday. その手紙は昨日書かれた)
- 未来形:will be+過去分詞(例:The test will be held next week. そのテストは来週実施される)
- 現在進行形:am/is/are being+過去分詞(例:The room is being cleaned now. その部屋は今掃除されている)
- 過去進行形:was/were being+過去分詞(例:The bridge was being built at that time. その橋はその時建設中だった)
- 現在完了形:have/has been+過去分詞(例:This computer has been used for five years. このコンピューターは5年間使われている)
- 過去完了形:had been+過去分詞(例:The house had been sold before we arrived. その家は私たちが到着する前に売られていた)
これらの時制の変化は、最初は複雑に感じるかもしれません。しかし、be動詞の時制変化のパターンを理解すれば、すべての受動態に応用できることが分かります。代々木ゼミナールや河合塾の講師も、be動詞の変化に注目することが受動態理解の近道だと指導しています。
特に注意が必要なのは、進行形の受動態です。「being+過去分詞」という形は見慣れないため、多くの生徒が混乱します。しかし「今まさに~されている」という動作の最中を表現するには、この形が必要です。例えば建設現場の様子を説明する際、「The building is being constructed.(そのビルは建設中です)」のように使います。東京大学の英作文問題でも、進行形の受動態を正確に使えるかが問われることがあります。
by以外の前置詞を使う受動態
受動態では「by+行為者」が基本ですが、動詞によってはby以外の前置詞を使う場合があります。これは動詞が持つ本来の意味や用法によって決まります。主要なパターンを以下に示します。
- be interested in(~に興味がある):I am interested in music.(私は音楽に興味がある)
- be surprised at(~に驚く):She was surprised at the news.(彼女はその知らせに驚いた)
- be satisfied with(~に満足している):We are satisfied with the result.(私たちはその結果に満足している)
- be known to(~に知られている):He is known to everyone.(彼はみんなに知られている)
- be covered with(~で覆われている):The mountain was covered with snow.(その山は雪で覆われていた)
- be filled with(~で満たされている):The room was filled with people.(その部屋は人でいっぱいだった)
- be made of/from(~で作られている):This desk is made of wood.(この机は木でできている)
これらの表現は熟語として覚える必要があります。特に「be made of」と「be made from」の違いは重要です。「be made of」は原材料の姿が残っている場合(木→机)、「be made from」は原材料の姿が変わっている場合(牛乳→チーズ)に使います。この区別は、慶應義塾大学や上智大学の入試問題でもよく問われます。
また、感情を表す動詞の多くは「be+過去分詞+at/with/in」の形を取ります。「surprise(驚かせる)」「interest(興味を持たせる)」「excite(興奮させる)」などがその代表例です。これらは能動態では「他動詞+人」の形ですが、受動態では「人+be動詞+過去分詞+前置詞+対象」となります。SAPIX小学部や早稲田アカデミーでは、これらの表現を例文とともに繰り返し練習させることで定着を図っています。
注意が必要な受動態の形
受動態には、特に注意が必要な形がいくつかあります。まず助動詞を含む受動態です。助動詞がある場合は「助動詞+be+過去分詞」という形になります。例えば「can be done(できる)」「must be finished(終えなければならない)」「should be checked(確認されるべき)」のようになります。助動詞の後ろは必ず動詞の原形なので、beも原形のまま使います。
次に、疑問文と否定文の作り方にも注意が必要です。疑問文では「Be動詞+主語+過去分詞~?」の語順になります。例えば「Is this book read by many people?(この本は多くの人に読まれていますか)」となります。否定文では「主語+be動詞+not+過去分詞」の形です。例えば「This computer is not used anymore.(このコンピューターはもう使われていない)」となります。
また、第4文型(SVOO)の受動態も要注意です。「give(与える)」「teach(教える)」「show(見せる)」などの授与動詞は、2つの目的語を取ります。「He gave me a book.(彼は私に本をくれた)」を受動態にする場合、2通りの表現が可能です。「I was given a book by him.(私は彼に本をもらった)」または「A book was given to me by him.(本が彼によって私に与えられた)」となります。東進ハイスクールの英語講師も、この2通りの表現を理解することが重要だと強調しています。
さらに、第5文型(SVOC)の受動態にも特別なルールがあります。「make」「call」「name」などの動詞を使った文では、補語もそのまま受動態に引き継がれます。例えば「They call him Tom.(彼らは彼をトムと呼ぶ)」の受動態は「He is called Tom.(彼はトムと呼ばれている)」となります。このとき、補語のTomは過去分詞の後ろにそのまま置かれます。このパターンは慶應義塾大学や早稲田大学の入試でも頻出するため、確実に押さえておく必要があります。
中学・高校で習う受動態の重要文法事項
受動態は中学2年生で初めて学び、高校でさらに発展的な内容を学習します。学年が上がるにつれて、より複雑な受動態の表現や、実践的な使い方を身につけていきます。この章では、中学から高校、そして大学入試まで、段階的に学ぶ受動態の重要事項を整理してお伝えします。お子さんがどの段階でどのような内容を学ぶのかを把握することで、適切なサポートができるようになります。
中学英語で学ぶ受動態の範囲
中学2年生では、受動態の基本形を学びます。ここでは「be動詞+過去分詞」という基本構造と、現在形・過去形の受動態が中心となります。例えば「This book is read by many students.(この本は多くの生徒に読まれている)」「The window was broken yesterday.(その窓は昨日割られた)」のような文を作れるようになることが目標です。
中学2年生の段階では、以下の項目が重要になります。
- 規則動詞と主要な不規則動詞の過去分詞形を覚える
- 肯定文・否定文・疑問文の作り方を理解する
- byを使った行為者の表現を学ぶ
- 行為者が不明または不要な場合はbyを省略できることを知る
これらの基礎は、東京書籍の「NEW HORIZON」や開隆堂の「SUNSHINE」などの中学英語教科書で段階的に導入されます。多くの学校では、受動態の単元で小テストや単元テストが実施されるため、この時期にしっかり基礎を固めることが大切です。
中学3年生になると、より発展的な受動態を学びます。助動詞を含む受動態や、進行形・完了形との組み合わせを学習します。例えば「The computer can be used by everyone.(そのコンピューターは誰でも使える)」「The bridge is being built now.(その橋は今建設中です)」「This book has been read by many people.(この本は多くの人に読まれてきた)」のような表現です。
中学3年生で押さえるべき重要ポイントは以下の通りです。
- 助動詞(can、must、shouldなど)を含む受動態の作り方
- 進行形の受動態「be being+過去分詞」の理解
- 現在完了形の受動態「have/has been+過去分詞」の使い方
- by以外の前置詞を使う受動態表現
- SVOOやSVOCの文型の受動態
この段階で学ぶ内容は、高校入試で直接問われることが多いです。特に都立高校の入試問題や、開成高校、筑波大学附属駒場高校などの難関私立高校の入試では、受動態の正確な理解が必要とされる問題が毎年出題されています。栄光ゼミナールや臨海セミナーなどの学習塾では、中学3年生の夏以降、入試対策として受動態の問題演習を集中的に行います。
高校英語で学ぶ発展的な受動態
高校英語では、中学で学んだ受動態の知識をさらに深め、より複雑な表現や実践的な使い方を学びます。高校1年生では、まず中学の復習から始まり、時制の組み合わせや、より多様な動詞を使った受動態を学習します。
高校英語で新たに学ぶ重要な項目には以下があります。
| 文法項目 | 例文 | 説明 |
|---|---|---|
| 完了進行形の受動態 | The building has been being constructed for two years. | 継続している動作の受動態 |
| 群動詞の受動態 | The child was taken care of by his grandmother. | 句動詞全体を1つの動詞として扱う |
| 使役動詞の受動態 | He was made to clean the room. | makeの受動態ではtoが必要 |
| 知覚動詞の受動態 | She was seen to enter the building. | seeの受動態ではtoが必要 |
群動詞(句動詞)の受動態は特に重要です。「look after(世話をする)」「take care of(世話をする)」「laugh at(笑う)」などの群動詞は、全体で1つの動詞として扱われ、そのまま受動態にします。例えば「They looked after the children.」は「The children were looked after by them.」となります。この際、afterだけでなくlookedも含めて受動態にする点に注意が必要です。
使役動詞の受動態も高校で学ぶ重要項目です。能動態では「make+人+動詞の原形」という形ですが、受動態になると「be made to+動詞の原形」となり、toが必要になります。例えば「My mother made me clean my room.(母は私に部屋を掃除させた)」は「I was made to clean my room by my mother.(私は母に部屋を掃除させられた)」となります。このtoの有無は、早稲田大学や慶應義塾大学の入試問題でもよく問われるポイントです。
同様に知覚動詞の受動態でも、toが必要になります。「see」「hear」「watch」などの知覚動詞は、能動態では「see+人+動詞の原形」ですが、受動態では「be seen to+動詞の原形」となります。例えば「I saw him enter the building.(私は彼がそのビルに入るのを見た)」は「He was seen to enter the building by me.(彼は私によってそのビルに入るのを見られた)」となります。代々木ゼミナールや駿台予備学校では、この変化をしっかり理解させるため、多くの例文練習を行っています。
大学入試で頻出の受動態表現
大学入試、特に共通テストや難関大学の個別試験では、受動態に関する問題が必ず出題されます。単純な文法問題だけでなく、長文読解の中で受動態を正確に理解できるか、英作文で適切に使えるかが評価されます。
大学入試でよく出題される受動態のパターンには以下があります。
- 感情を表す動詞の受動態:surprised、interested、excitedなどの過去分詞を使った表現は頻出です。「I am interested in science.(私は科学に興味がある)」のような文は、共通テストでも頻繁に見られます。
- 完了形の受動態:「The book has been translated into many languages.(その本は多くの言語に翻訳されている)」のような表現は、文化や歴史に関する長文でよく使われます。
- 進行形の受動態:「A new shopping mall is being built in our town.(私たちの町で新しいショッピングモールが建設中です)」という表現は、現在進行中の社会的変化を述べる際に使われます。
- It is said that構文:「It is said that he is a genius.(彼は天才だと言われている)」という形式主語を使った受動態は、東京大学や京都大学の英作文問題でも頻出です。
特に「It is+過去分詞+that節」の構文は重要です。「It is believed that~(~だと信じられている)」「It is known that~(~だと知られている)」「It is expected that~(~だと期待されている)」などの表現は、論説文や科学記事で頻繁に見られます。これらの構文を使いこなせると、英作文の表現力が格段に向上します。
また、受動態の意味上の主語も重要なテーマです。「It is important for us to study English.(私たちにとって英語を勉強することは重要だ)」のように、for~で意味上の主語を示す表現も、大学入試では頻出です。河合塾の全統模試や駿台模試でも、このタイプの問題が毎回出題されています。
SVOC文型の受動態
第5文型(SVOC)の受動態は、高校英語の中でも特に理解が難しい項目の1つです。しかし、大学入試では頻出するため、確実にマスターしておく必要があります。第5文型とは「主語+動詞+目的語+補語」の形で、「目的語=補語」の関係が成り立つ文型です。
SVOC文型を受動態にすると、目的語が主語になり、補語はそのまま残ります。主な動詞とその受動態の形を以下に示します。
| 動詞 | 能動態の例 | 受動態の例 |
|---|---|---|
| call | They call him John. | He is called John. |
| name | They named the baby Emma. | The baby was named Emma. |
| make | They made him captain. | He was made captain. |
| elect | People elected her president. | She was elected president. |
| consider | We consider him honest. | He is considered honest. |
この文型で特に注意すべきは、補語の位置です。受動態にしても、補語は過去分詞の後ろにそのまま置かれます。「He is called John.」において、Johnは「彼=ジョン」という関係を示す補語として機能しています。この構造を理解していないと、文の意味を正確に捉えることができません。
また、makeを使ったSVOC文型の受動態には2種類あります。1つは「彼を〇〇にする」という意味で、補語が名詞の場合です。「They made him captain.(彼らは彼をキャプテンにした)」→「He was made captain.(彼はキャプテンにされた)」となります。もう1つは「彼に〇〇させる」という使役の意味で、補語が動詞の原形の場合です。こちらは前述の通り「He was made to clean the room.」のようにtoが必要になります。
東京大学や一橋大学の英作文問題では、このSVOC文型の受動態を正確に使えるかが問われます。例えば「彼は正直だと考えられている」という日本語を英語にする場合、「He is considered honest.」または「He is considered to be honest.」となります。どちらも正解ですが、後者のto be形式の方がより丁寧な表現とされています。Z会の通信教育や東進ハイスクールの授業でも、このような細かい違いまで丁寧に解説されています。
受動態と能動態の使い分けポイント
受動態と能動態は、どちらも同じ内容を表現できますが、どちらを使うかによって文章の印象や焦点が大きく変わります。適切に使い分けることで、より伝わりやすく、自然な英語表現ができるようになります。この章では、実際の場面でどのように受動態と能動態を使い分ければよいのか、具体的な判断基準とともに解説します。
主語を強調したいときの受動態
受動態を使う最も重要な理由の1つは、動作を受ける側を強調したい場合です。能動態では動作をする側(行為者)が主語になりますが、受動態では動作を受ける側が主語になります。この違いによって、文章の焦点が大きく変わります。
例えば、歴史的な出来事を説明する場合を考えてみましょう。「The telephone was invented by Alexander Graham Bell in 1876.(電話は1876年にアレクサンダー・グラハム・ベルによって発明された)」という文では、電話という発明品に焦点が当てられています。もし能動態で「Alexander Graham Bell invented the telephone in 1876.」と書くと、ベルという人物に焦点が移ります。どちらも事実は同じですが、何を強調したいかによって使い分ける必要があります。
教科書や参考書では、重要な発見や発明について述べる際、受動態がよく使われます。例えば「DNA was discovered in 1869.(DNAは1869年に発見された)」「The theory of relativity was developed by Einstein.(相対性理論はアインシュタインによって開発された)」のように、科学的な業績を説明する文章では受動態が好まれます。これは、発見や理論そのものに焦点を当てたいからです。
また、物や概念について説明する際にも受動態が効果的です。例えば「This building was built in 1950.(このビルは1950年に建てられた)」「English is spoken in many countries.(英語は多くの国で話されている)」のように、対象物の状態や性質を述べる場合、受動態を使うことで情報が整理され、読みやすくなります。東京大学や早稲田大学の長文読解問題でも、このような受動態の使い方を理解していることが重要です。
行為者が不明・不要なときの受動態
受動態を使うもう1つの重要な理由は、誰が行ったかが不明、または重要でない場合です。このような状況では、行為者を示す「by~」を省略し、受動態だけで文を終えることができます。実際、日常的に使われる受動態の多くは、byを伴わない形です。
例えば、以下のような場面では受動態が自然です。
- 犯罪や事故の報道:「A bank was robbed last night.(昨夜、銀行が襲われた)」のように、犯人が不明な場合は受動態を使います。
- 一般的な事実:「Rice is grown in this region.(この地域では米が栽培されている)」のように、特定の誰かではなく、その地域の人々全般が行っている場合。
- 製品の説明:「This wine is made from grapes.(このワインはブドウから作られる)」のように、製造過程を説明する場合。
- 規則や決まり:「Smoking is not allowed here.(ここでは喫煙は許可されていません)」のように、誰が決めたかよりも、ルールそのものが重要な場合。
これらの例では、行為者を明示することに意味がない、または不可能です。例えば「The window was broken.(窓が割られた)」という文では、誰が割ったかは分からないか、あるいは重要ではありません。このような場合、byを使わず、受動態だけで完結させることが一般的です。
ニュース記事では、この用法が特に頻繁に見られます。「A new policy was announced yesterday.(昨日、新しい方針が発表された)」「The meeting has been postponed.(会議は延期された)」のように、誰が発表したか、誰が延期を決めたかよりも、出来事そのものを伝えることが目的です。共通テストの長文問題でも、このような受動態の文章が多く出題されるため、意味を正確に理解できることが重要です。
また、婉曲的な表現として受動態を使う場合もあります。例えば「Mistakes were made.(ミスがあった)」という表現は、誰がミスをしたかを明示せず、責任を分散させる効果があります。このような使い方は、ビジネス英語や政治的な場面でよく見られます。ただし、学校の英作文では、このような婉曲表現よりも、事実を明確に述べることが求められる場合が多いです。早稲田アカデミーや駿台予備学校の英作文指導でも、状況に応じた適切な表現を選ぶことの重要性が強調されています。
客観性を出したいときの受動態
受動態のもう1つの重要な機能は、客観性や公平性を表現することです。特に学術論文、科学記事、公式文書では、主観を排除し、事実を客観的に述べる必要があります。このような場合、受動態が好んで使われます。
学術的な文章では、研究者が自分の研究について述べる際、「I conducted an experiment.(私は実験を行った)」ではなく「An experiment was conducted.(実験が行われた)」と書くことが一般的です。これにより、研究者個人ではなく、研究内容そのものに焦点が当てられます。例えば「The data were analyzed using statistical methods.(データは統計的手法を用いて分析された)」「The results were published in a scientific journal.(結果は科学雑誌に掲載された)」のように、受動態を使うことで客観的な記述になります。
英語の論文では、Methodsセクション(方法)で受動態が多用されます。「The samples were collected from five different locations.(サンプルは5つの異なる場所から採取された)」「The temperature was maintained at 25 degrees Celsius.(温度は摂氏25度に保たれた)」のように、実験の手順を述べる際、誰が行ったかよりも、何が行われたかが重要だからです。
また、公式な発表や報告書でも受動態がよく使われます。「A decision has been made to postpone the event.(イベントを延期する決定がなされた)」「The new policy will be implemented next month.(新しい方針は来月実施される)」のように、組織としての決定を述べる場合、受動態を使うことで、個人ではなく組織全体の判断であることが明確になります。
さらに、Instructions(指示)やManuals(マニュアル)でも受動態が頻繁に使われます。「The button should be pressed twice.(ボタンは2回押されるべきです)」「The lid must be closed tightly.(蓋はしっかり閉められなければなりません)」のように、命令口調を避け、より丁寧で客観的な指示を出すことができます。この用法は、高校の英語教科書「PROMINENCE」や「CROWN」の説明文でもよく見られます。
東京大学や京都大学の英作文問題では、このような客観的な文章を書く能力が求められることがあります。例えば「地球温暖化は深刻な問題だと考えられている」という日本語を英訳する場合、「It is considered that global warming is a serious problem.」または「Global warming is considered to be a serious problem.」のように、受動態を使って客観性を保つことが重要です。Z会の添削指導や東進ハイスクールの英作文講座でも、このような表現技術が重点的に指導されています。
受動態でつまずきやすい項目と対策法
受動態の学習過程で、多くの生徒が特定のポイントでつまずきます。しかし、つまずきやすい箇所は共通しているため、あらかじめ対策を立てておくことで、スムーズに理解を深めることができます。この章では、実際に多くの生徒が苦手とする項目と、それぞれの効果的な対策法をご紹介します。お子さんがどこでつまずいているかを見極め、適切なサポートをすることが大切です。
過去分詞の不規則変化でつまずく場合
受動態で最も基本的、かつ最もつまずきやすいのが不規則動詞の過去分詞形です。規則動詞は「-ed」をつけるだけですが、不規則動詞は個別に覚える必要があります。特に「書く(write-wrote-written)」「話す(speak-spoke-spoken)」のように、原形・過去形・過去分詞がすべて異なる動詞は、混乱の原因になります。
過去分詞でよくある間違いの例を挙げます。
- 誤:The letter was wrote yesterday. → 正:The letter was written yesterday.
- 誤:English is spoke in many countries. → 正:English is spoken in many countries.
- 誤:The window was broke by Tom. → 正:The window was broken by Tom.
- 誤:The book was gave to me. → 正:The book was given to me.
これらの間違いは、過去形と過去分詞を混同することから起こります。過去形は単独で使いますが、過去分詞は必ずbe動詞と一緒に使うということを理解することが重要です。
効果的な対策法としては、以下の方法があります。まず、頻出する不規則動詞を優先的に覚えます。中学英語で必須となる不規則動詞は約50個程度です。これらを「原形-過去形-過去分詞」のセットで暗記カードを作り、毎日5分間練習するだけでも、大きな効果があります。四谷大塚やSAPIXでは、このような反復練習を宿題として出し、定期的に小テストで確認しています。
また、グループ分けして覚える方法も効果的です。例えば「A-B-B型(make-made-made)」「A-B-C型(write-wrote-written)」「A-B-A型(come-came-come)」のように、変化のパターンでグループ化すると覚えやすくなります。市販の参考書では、旺文社の「英単語ターゲット」シリーズや学研の「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」などで、このような分類が紹介されています。
さらに、例文ごと覚える方法も有効です。単語だけを覚えるのではなく「This book was written by Shakespeare.(この本はシェイクスピアによって書かれた)」のように、文の中で覚えることで、使い方も同時に身につきます。代々木ゼミナールや河合塾の授業でも、例文を音読させることで定着を図っています。
by以外の前置詞の使い分けで困る場合
受動態では基本的に「by+行為者」を使いますが、動詞によってはby以外の前置詞が必要になります。この使い分けが難しく、多くの生徒がつまずきます。特に「be interested in」「be surprised at」「be satisfied with」などの表現は、前置詞を間違えやすいポイントです。
よくある間違いの例を見てみましょう。
- 誤:I am interested at music. → 正:I am interested in music.
- 誤:She was surprised of the news. → 正:She was surprised at the news.
- 誤:The mountain is covered by snow. → 正:The mountain is covered with snow.
- 誤:This desk is made from wood. → 正:This desk is made of wood.
これらの間違いは、前置詞の選択を動詞との結びつきで覚えていないことが原因です。前置詞は動詞によって決まっているため、熟語として一括で覚える必要があります。
効果的な対策法は、まず主要な表現をカテゴリー別に整理することです。例えば以下のようにグループ化します。
| 前置詞 | 主な表現 | 意味 |
|---|---|---|
| in | be interested in be involved in | ~に興味がある ~に関与している |
| at | be surprised at be shocked at | ~に驚く ~にショックを受ける |
| with | be satisfied with be covered with be filled with | ~に満足している ~で覆われている ~で満たされている |
| to | be known to be related to | ~に知られている ~に関連している |
| of | be made of be composed of | ~でできている ~で構成されている |
| from | be made from be different from | ~から作られている ~と異なる |
このように整理することで、どの前置詞がどの動詞と結びつくかが視覚的に理解できます。栄光ゼミナールや早稲田アカデミーでは、このような一覧表を配布し、定期的に確認テストを実施しています。
また、「be made of」と「be made from」の違いは特に重要です。原材料の姿が残っている場合は「of」、変化している場合は「from」を使います。「This table is made of wood.(このテーブルは木でできている)→木の姿が残っている」「Wine is made from grapes.(ワインはブドウから作られる)→ブドウの姿は残っていない」という違いを、具体例とともに理解することが大切です。この区別は、慶應義塾大学や早稲田大学の入試でも頻出します。
助動詞を含む受動態で混乱する場合
助動詞を含む受動態も、多くの生徒がつまずくポイントです。「can」「must」「should」「will」などの助動詞がある場合、受動態は「助動詞+be+過去分詞」という形になりますが、この形を正確に作れないことがあります。
よくある間違いの例を見てみましょう。
- 誤:This problem can solved easily. → 正:This problem can be solved easily.
- 誤:The homework must be finish by tomorrow. → 正:The homework must be finished by tomorrow.
- 誤:The meeting will hold next week. → 正:The meeting will be held next week.
- 誤:The computer should be repaired. → 正:This is correct!(これは正しい)
これらの間違いは、助動詞の後ろには必ず動詞の原形が来るというルールを忘れていることが原因です。受動態の場合、「be+過去分詞」全体が動詞句なので、beが原形で使われます。
効果的な対策法は、まず助動詞の基本ルールを再確認することです。「助動詞+動詞の原形」というルールは、能動態でも受動態でも変わりません。受動態の場合、動詞句が「be+過去分詞」になるだけです。この理解があれば、「can」「must」「should」「may」「will」などのどの助動詞でも、同じように受動態を作ることができます。
また、否定文と疑問文の作り方も一緒に練習することが重要です。否定文は「助動詞+not+be+過去分詞」、疑問文は「助動詞+主語+be+過去分詞?」となります。例えば「This book can be read in one day.(この本は1日で読める)」の否定文は「This book cannot be read in one day.(この本は1日では読めない)」、疑問文は「Can this book be read in one day?(この本は1日で読めますか)」となります。
四谷大塚や日能研では、助動詞を含む受動態の問題を、穴埋め問題、並び替え問題、英作文問題など、様々な形式で繰り返し練習させています。特に並び替え問題は、語順を正確に理解しているかを確認するのに効果的です。市販の問題集では、学研の「中学英文法 完全マスター」や旺文社の「英文法・語法問題1000」などが、助動詞を含む受動態の問題を豊富に収録しています。
進行形・完了形の受動態で悩む場合
進行形や完了形の受動態は、be動詞が複数重なるため、形が複雑に見え、多くの生徒が混乱します。特に「is being+過去分詞」という進行形の受動態は、beingという形に慣れていないため、理解に時間がかかることがあります。
よくある混乱のパターンを見てみましょう。
- 進行形の受動態:The house is being built now.(その家は今建設中です)→「is」と「being」の2つのbe動詞が重なっている
- 現在完了形の受動態:The work has been finished.(その仕事は終えられた)→「has been」という形に慣れない
- 過去完了形の受動態:The letter had been sent before I arrived.(その手紙は私が到着する前に送られていた)→時制の理解も必要
これらの形は確かに複雑ですが、構造を分解して理解することで、明確になります。
効果的な対策法は、まず能動態の進行形・完了形を確実に理解することです。能動態で「be+~ing」(進行形)、「have+過去分詞」(完了形)という形をしっかり押さえた上で、受動態に変換する練習をします。
進行形の受動態「be being+過去分詞」は、以下のように考えます。
- 進行形の基本:be+~ing(~している)
- 受動態の基本:be+過去分詞(~される)
- 組み合わせ:be+being+過去分詞(~されている)
例えば「They are building the house.(彼らはその家を建てている)」を受動態にすると「The house is being built by them.(その家は彼らによって建てられている)」となります。「build」の進行形「building」が受動態では「being built」になると考えれば、理解しやすくなります。
完了形の受動態「have been+過去分詞」は、以下のように理解します。
- 完了形の基本:have+過去分詞(~した、~してしまった)
- 受動態の基本:be+過去分詞(~される)
- 組み合わせ:have+been+過去分詞(~されてしまった)
例えば「Someone has stolen my bike.(誰かが私の自転車を盗んだ)」を受動態にすると「My bike has been stolen.(私の自転車は盗まれてしまった)」となります。「have stolen」が「has been stolen」になると考えれば、分かりやすいです。
代々木ゼミナールや駿台予備学校では、このような分解方式で教えることで、生徒の理解を深めています。また、Z会の通信教育では、段階を追った問題演習を通じて、徐々に複雑な受動態に慣れていくカリキュラムが組まれています。まずは現在形・過去形の受動態を完璧にし、次に助動詞を含む受動態、そして最後に進行形・完了形の受動態という順序で学習することで、無理なく理解を深めることができます。
家庭学習で実践できる効果的な学習方法
受動態をしっかりマスターするには、学校や塾での学習だけでなく、家庭での継続的な練習が欠かせません。しかし、ただ問題を解くだけでは効果は限定的です。この章では、ご家庭で実践できる、効果的で楽しい学習方法をご紹介します。お子さんの学習スタイルや理解度に合わせて、最適な方法を選んでいただければと思います。
問題集を活用した反復練習
受動態の定着には反復練習が不可欠です。ただし、ただ闇雲に問題を解くのではなく、段階的に難易度を上げながら、様々な形式の問題に取り組むことが重要です。効果的な問題集の活用法をご紹介します。
まず、基礎固めには穴埋め問題が最適です。「The book ( ) ( ) by many students.(その本は多くの生徒に読まれている)」のように、be動詞と過去分詞を入れる問題から始めることで、基本構造を確実に身につけることができます。学研の「中学英文法パーフェクト演習」や旺文社の「全問ヒントつきでニガテでも解ける中学英語」などは、このタイプの問題が豊富に収録されています。
次の段階として、並び替え問題に挑戦します。「この本は多くの人に読まれている(read / is / by / this book / many people)」のように、単語を正しい順序に並べる問題は、語順の理解を深めるのに非常に効果的です。東京書籍の「ニューホライズン 英語の完全学習」シリーズや、開隆堂の「サンシャイン 完全準拠問題集」などに、良質な並び替え問題が多く含まれています。
英作文問題は、さらに高度な理解を必要とします。「その窓は昨日割られた」という日本語を英語にする問題では、時制の選択、過去分詞の形、byの必要性などを総合的に判断する必要があります。このタイプの問題は、Z会の「グレードアップ問題集 中学英文法」や、駿台文庫の「大学入試 基礎からの英作文」などに多く含まれています。
問題集を使う際の効果的な学習サイクルは以下の通りです。
- 1日目:新しい単元の問題を解く(10〜15問程度)
- 2日目:前日の間違えた問題を再度解く+新しい問題を追加
- 3日目:これまでの間違えた問題をもう一度解く+新しい問題を追加
- 7日目:1週間分のまとめテスト
- 1ヶ月後:復習テスト
このサイクルを実践することで、短期記憶を長期記憶に変換することができます。栄光ゼミナールやSAPIXでも、このような反復学習の重要性が強調されています。特に間違えた問題は、理解できるまで繰り返し解くことが大切です。ただし、同じ問題を何度も解くのではなく、類似問題を探して解くことで、応用力も養われます。
英作文で受動態を使ってみる
受動態を本当に使いこなせるようになるには、自分で英文を作る練習が欠かせません。ただ問題を解くだけでなく、実際に受動態を使って文章を書くことで、より深い理解と定着が得られます。
家庭でできる簡単な英作文練習をご紹介します。まず、日常生活の出来事を受動態で表現してみましょう。例えば以下のような練習が効果的です。
- 「このケーキは昨日作られた」→This cake was made yesterday.
- 「英語は世界中で話されている」→English is spoken all over the world.
- 「その映画は多くの人に見られた」→The movie was watched by many people.
- 「宿題は今やられている」→The homework is being done now.
- 「その問題はすでに解決された」→The problem has already been solved.
このような練習を毎日3〜5文作ることを習慣にすると、自然と受動態が身についていきます。お子さんが作った英文を、保護者の方がチェックしてあげるのも良いでしょう。文法的に正しいかどうかだけでなく、「なぜここで受動態を使ったのか」を説明させることで、理解がさらに深まります。
また、能動態の文を受動態に変換する練習も効果的です。新聞記事や教科書の文章から能動態の文を見つけ、それを受動態に書き換える練習をします。例えば「Shakespeare wrote Hamlet.(シェイクスピアがハムレットを書いた)」を「Hamlet was written by Shakespeare.(ハムレットはシェイクスピアによって書かれた)」に変換します。この練習により、能動態と受動態の関係性を深く理解できます。
テーマ別英作文にも挑戦してみましょう。例えば「私の町」というテーマで、受動態を使った文章を5〜10文書きます。「My town was founded in 1950.(私の町は1950年に創設された)」「A new library was built last year.(新しい図書館が昨年建てられた)」「The festival is held every summer.(そのお祭りは毎年夏に開催される)」のように、受動態を意識的に使うことで、表現の幅が広がります。
早稲田アカデミーや四谷大塚では、このような自由英作文の課題を定期的に出しています。また、Z会の添削指導では、生徒が書いた英作文に対して、文法的な正確さだけでなく、表現の自然さや適切性についても詳しいフィードバックが提供されます。家庭学習でも、お子さんが書いた英文を写真に撮って保存しておき、後で見返すことで、自分の成長を実感できるでしょう。
オンライン学習ツールの活用
現代では、オンライン学習ツールやアプリを活用することで、より効率的に受動態を学習できます。特にゲーム感覚で楽しく学べるツールは、お子さんのモチベーション維持に効果的です。
おすすめのオンライン学習ツールをいくつかご紹介します。
- スタディサプリ:中学英語から高校英語まで、段階的に受動態を学べる動画授業が充実しています。関正生講師の授業は特に分かりやすく、受動態の本質的な理解を助けてくれます。月額2,178円で全教科学び放題です。
- Duolingo:無料で使える語学学習アプリで、受動態を含む様々な文法事項をゲーム感覚で学べます。毎日少しずつ進めることで、自然と文法が身につきます。
- 英文法.com:無料のウェブサイトで、受動態に関する詳しい解説と練習問題が豊富に用意されています。PDFでの印刷も可能なので、家庭学習に最適です。
- Quizlet:フラッシュカード形式で不規則動詞の過去分詞を覚えるのに便利です。音声機能もあるため、発音と一緒に覚えることができます。
また、YouTubeにも優良な英語学習チャンネルが多数あります。「ただよび」「武田塾チャンネル」「とある男が授業をしてみた」などのチャンネルでは、受動態について分かりやすく解説した動画が無料で視聴できます。特に「とある男が授業をしてみた」の葉一先生の授業は、中学生に人気があり、基礎から丁寧に説明してくれます。
オンライン英会話を活用するのも一つの方法です。DMM英会話やレアジョブ英会話では、文法に特化したレッスンを受けることができます。ネイティブ講師や日本人講師と一対一で学ぶことで、受動態を実際の会話の中でどう使うかを体験できます。特に英作文を添削してもらったり、自分が作った受動態の文章が自然かどうかを確認してもらったりすることは、非常に価値があります。
これらのツールを活用する際のポイントは、毎日継続することです。1日1時間よりも、毎日15分を続ける方が、長期的には大きな効果があります。お子さんの生活リズムに合わせて、朝食後や就寝前など、決まった時間に学習する習慣をつけることをおすすめします。代々木ゼミナールや東進ハイスクールでも、継続的な学習の重要性が強調されています。
塾や家庭教師のサポートを受ける
家庭学習だけでは限界を感じる場合や、より専門的な指導を受けたい場合は、塾や家庭教師のサポートを検討するのも良い選択です。特に受験を控えている場合は、プロの指導を受けることで、効率的に学力を伸ばすことができます。
集団塾では、同じレベルの生徒と切磋琢磨しながら学べるメリットがあります。主要な塾の特徴を以下にまとめます。
| 塾名 | 特徴 | 適している生徒 |
|---|---|---|
| SAPIX | 難関校受験に特化、ハイレベルな授業 | 学力が高く、難関校を目指す生徒 |
| 栄光ゼミナール | 少人数制、きめ細かい指導 | 自分のペースで学びたい生徒 |
| 早稲田アカデミー | 熱血指導、競争心を刺激 | やる気がある、競争が好きな生徒 |
| 四谷大塚 | 体系的なカリキュラム、予習シリーズ | 着実に基礎を固めたい生徒 |
| 臨海セミナー | リーズナブルな価格、地域密着型 | コストを抑えたい家庭 |
一方、個別指導塾や家庭教師は、お子さんの理解度やペースに合わせた指導が受けられます。特に受動態でつまずいている場合、個別指導でつまずきポイントを特定し、集中的に学習することで、短期間で大きく理解が深まることがあります。
主要な個別指導塾には以下があります。
- 東京個別指導学院:ベネッセグループが運営し、講師の質が高いことで知られています
- 明光義塾:全国展開する大手個別指導塾で、独自の指導メソッドがあります
- スクールIE:個性診断テストに基づく完全オーダーメイドの指導を行います
- ITTO個別指導学院:リーズナブルな価格設定で、地域に根ざした指導を行います
家庭教師を選ぶ場合は、以下の点に注意することが重要です。
- 講師の学歴や指導経験(東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学などの難関大学生や卒業生が望ましい)
- 受動態を含む英文法の指導実績
- お子さんとの相性(体験授業で確認)
- 料金体系の明確さ
- スケジュールの柔軟性
家庭教師センター(トライ、学研の家庭教師、ノーバスなど)を利用する場合と、個人契約の家庭教師では、料金や保証内容が異なります。一般的には、家庭教師センターの方が料金は高めですが、講師の変更やトラブル対応などのサポートが充実しています。
また、オンライン個別指導も選択肢の1つです。マナボやスナップアスクなどのサービスでは、スマートフォンやタブレットで質問すると、現役大学生講師がリアルタイムで答えてくれます。分からない問題があったときにすぐに質問できるため、学習効率が上がります。
塾や家庭教師を選ぶ際は、お子さん本人の意見を尊重することが何より大切です。どんなに評判の良い塾でも、お子さんに合わなければ効果は期待できません。複数の塾で体験授業を受けたり、家庭教師の体験指導を受けたりして、お子さんが「ここなら頑張れる」と思える環境を見つけることが成功への近道です。
